· 

大好きなタイムと苦い想い出

タイムがとても好きで、お庭のあちこちで育てています

 

今のタイムは、こんな様子

コモンタイム、和名をタチジャコウソウといいます

立つというのが、この姿からよくわかります

 

タイムはハーブの中でも抗菌力が最も強いと言われていて

私はうがいなどのデイリーケアでよく使っています

 

呼吸器の弱い私にとって、大切なハーブのひとつです

 

さて、そんな大切なタイムの苦い想い出をひとつ

 

思い出したきっかけは、間近に控えたシニアハーバルセラピスト試験の勉強でパラパラとめくっていたこちらのハーブ事典

 

ちょうどタイムのページを見ていて、精油としての使用には注意が必要だよねってところで、「あ・・・そういえば・・・」と思い出したのです

 

 

次女を妊娠中でしたので、今から4年ほど前のこと

マタニティアロマトリートメントを受けに行きました

 

アロマを学ばれた方は、この時点できっと「どういうこと??」ってクエスチョンがいっぱいになっていますよね

 

ハイ、妊娠期にまさかのタイム入りブレンドオイルを勧められました

 

 

 

 

タイムは、メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版ではこんな記載があります

 

クラス2b 妊娠中には使用しない

 

ハーブで妊娠中の使用はしないようにというのですから、精油はどうかといえば察しがつきますよね

 

 

最初からこのタイム入りブレンドオイルを勧められたわけではありません

 

こちらのサロンでは基本はブレンドオイルを使用しているとのことで、こんな用意がありますよと数種類のオイルを出してくださるのですが、何がブレンドされているのかを聞いても全てを答えられない

 

なんとかでてきた言葉が

 

「これはレモングラスとか・・・」

↑私は妊娠中には使いません

 

「こっちは・・・ホルモンバランス系ですね」

↑妊娠中にホルモンバランスに働きかけるって、どういうこと!?

 

不信感はすっかり大きくなっていました

 

アロマセラピーをしっかりお勉強されている方を探したつもりだったのに・・・

 

 

そして、コリが辛いのならと出してきてくださったのがタイム入りオイルでした

 

 

こちらのオイルも、何が入っているのかと聞いても把握しておられず、ラベルをみて「タイムとか・・・」と、まずタイムがでてきました

 

一番初めに書いてるってことは、メインの香りがタイムだったのでしょう

 

さすがにハッキリと申し上げましたよ!

 

「私は妊娠中にタイムは使いたくありません」

 

トリートメントの指導をされてもいらっしゃるので、技術は素晴らしく、トリートメントは至極のひとときだったのですよ!!

 

なのに、残念ながら4年経った今も心に残っているのは、不信感です

 

 

妊娠中には危険と言われる精油を使用されていることを、私は同じアロマセラピストとしてどうしても見過ごせませんでしたので、日を改めてお話をさせていただきました

 

返ってきたのは・・・

 

メーカーが妊婦に使っていいと言っている

伊吹さんの所属されているAEAJでは低濃度でしか使わないのだろうけど、スポーツアロマの世界では高濃度で使ったりもするのですよ

 

といった内容

 

 

妊婦はアスリートじゃありませんからーーー

 

 

妊娠中に精油を使用することについては、プロと呼ばれる人々の中でも意見は様々です

 

だから、どういう考えで使い方の選択しているのか、セラピストは自分なりの根拠をもつことが大事だと思っています

 

精油を使うと言っても、アロマトリートメントの場において、使い方は様々ご提案できるんです

 

植物油にブレンドしてお体に塗布していくことはもちろんのこと、フットバスでのみお楽しみいただいたり、芳香浴でお楽しみいただいたり

 

ハーブという植物体そのものの香りをお楽しみいただくことだってできます

 

精油の選択を考えたり、濃度を調整することだってできます

 

クライアントのコンディションを把握して、クライアントのご要望をお伺いしてご提案し、ご納得いただき施術に入る

 

セラピーの鉄則です

 

 

アロマセラピストが精油を扱う醍醐味は、

精油、(人によってはハーブも)、お身体のコンディション、ご心情、etc.

 

クライアントを取り巻くことを可能な限り受け取り、

メリットもデメリットも踏まえた上でそのときにフィットすると思われる香りを使い方も含めてご提案できること

 

そのために、香り(精油)のことも身体のことも勉強しているのです

 

 

 

4年前のあのとき、

 

「入っている精油は何ですか?」

 

と、オイルがでてくるたびに私は聞いていたのですから、そこが丁寧に説明していかなきゃいけない部分なんだとセラピストさんには察してほしかったなぁと思います

 

メーカーが妊婦への使用OKとしている製品であっても、使用するセラピストがなぜ本来妊娠中NGとされる精油がOKとなっているのかに疑いをもち、納得できる理由があるのかをメーカーに問い合わせるなどして、クライアントに自信をもって説明できなくてはいけないでしょう

 

その場では何も知らずにプロから提案されたのだからと使用を承諾し、あとから調べて怖い思いをした妊婦さんがいるんじゃないかと思うと、今でも気が気ではありません

 

 

4年経っても強烈な印象として残っているこの出来事

 

想い出すたびに、セラピストとして自分の立ち居振る舞いはどうなのかと気持ちが引き締まります

 

 

試験勉強をしていてこのことを思い出したということは、私が学びを続けていく大きな理由のひとつがココにあったからなのだろうと気付きました

 

私が長女を妊娠中は、AEAJのアロマテラピーインストラクター資格を持ち講師活動をはじめてはいましたが、そのときの知識では妊娠中の精油使用について納得できるものを得られていませんでした

 

出産直前になってようやくいくつかの精油を試すのがやっとだったんですよね

 

 

私自身もこんな経験をしているからこそ、安全にお楽しみいただけるよう自信をもって提供したいし、お客さまにも的確なご説明ができる自分でありたい

 

大好きなアロマセラピーであるからこそ

そして使い方次第では危険と隣り合わせでもあるからこそ

 

私は安全性を追求していくのだと思います